2021年9月23日、タイ大手銀行の一つであるSCB(Siam Commercial Bank)の株価を見て驚きました。同社の株価は同日朝の時点で前日比+20%を超えていたからです。
一体何が起こったのか?
結論から簡単に言ってしまうと「SCB」が「SCBX」に生まれ変わるというものでした。
とは言っても、この発表によって何が変わるの?
これからどのように変わっていくの?
という疑問があると思います。
そこで一つずつ整理していくこととします。
発表内容:「SCBX」という新会社設立
SCBが発表した内容は「SCB」株を上場廃止にして、変わりに「SCBX」という名前の新会社を上場するというものでした。
「SCBX」は、2億人の顧客基盤を構築することを目標に2025年までに銀行から金融フィンテック企業としてグループ構造を大きく変更するとしています。
ただしこれは11月の臨時株主総会で、SCBからSCBXへの株式交換の株主承認を求める必要があります。
株主の承認が得られれば、SCBは上場廃止となって銀行業務はSCBXの下に移行されます。
また、SCBの株主は同社株式を1:1の割合価格で株式交換が可能となっており、そのままSCBXの株を保有することができるようになっています。
発表内容:「SCBX」の新事業形態
SCBXグループは、SCBXを親会社として10以上の業態を持ちます。
SCBXグループ
- カードX:ビジネスクレジットカードをスピンオフ
- AlphaX:MillenniumGroupと提携して高級車のリース事業を行う
- AutoX:貸付事業を運営
- TechX:グローバルテクノロジー企業と協力してテクノロジービジネスを行う
- AISCB:AISと協力してデジタルローンを作成
- ロビンフッド:フードデリバリー事業
- CPG-SCBVCファンド:CPグループと協力してベンチャーキャピタルファンドを設立
- その他 データX、SCB証券、TokenX、SCBABACUS、monix など
これらの企業は、今後3〜5年以内に証券取引所に上場する計画を立てています。
「SCBX」のこれからと業界の変化
SCBは、3〜5年以内に銀行業務からフィンテックに生まれ変わり、利益は5年間で1.5〜2倍/時価総額1兆バーツ/ 2億人の顧客ベースで増加することを予想しています。
この再編により、同社は銀行が実行できない制限や規制を解除することが可能となります。ですが、預金サービスやその他業務の提供は今までどおり変わりません。とSCBのCEOであるArthitNanthawittaya氏は述べています。
タイの銀行業態をみてみたとき、元々銀行は常に国立銀行によって厳格に管理されていました。
しかし、SCBX誕生により、新企業は組織に変化をもたらすために他方に投資する自由が広がるメリットがでてきます。
そして、「SCB」以外の銀行にも同じことが言えると思います。私が思うに、他のタイ大手銀行が黙ってないのではないでしょうか。
それは、KBankかもしれませんし、バンコク銀行、アユタヤ銀行かもしれません。
それらの他の銀行株もSCBの株価暴騰と同時に値上がりしました。
これからのタイ銀行セクターが楽しみですね!
SCBに関連する記事