2021年2月25日(木)。朝からタイ国際航空(ティッカー:THAI)の株が取引停止となり何もできない状態になった。
同日日経新聞より報道がなされた。
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タイ国際航空の現状
同社の2020年12月期連結決算は最終損益が1411億バーツの赤字となっており、前の期は120億バーツの赤字を大きく下回り過去最大の赤字決算となった。
同日、所有するLCCノックスエアーの全株式を売却することを発表したが焼き石に水といった感じだろう。
タイ証券取引所(SET)は同日25日、タイ国際航空の上場廃止を検討するため同社株の取引を停止した。
そして、3月8日までに上場廃止の是非を決定すると発表していることから、それまで取引停止が続く恐れがあり株主としては戦々恐々といった状況だ。
タイ国際航空の株価はコロナの影響で経営悪化が注目された2020年11月を底に、投機的な買いが多く1株4バーツを超える水準まで上がってきていただけに、株主の落胆ぶりは図り知れない。
かく言う私も株主の内の1人である。

2010年のJAL経営破綻から見る
JALは2008年に起こったリーマンショックの影響で一気に経営破綻までいった。というイメージが強いが、実はそのだいぶ前から経営状態は悪化しており、リーマンショックに耐えれる体力がなかったというのが実情である。
撤廃できない不採算路線、ホテルなどの関連企業への投資などマイナス要因は多く、体力は痩せ細っていた。
再生タスクフォースにより徹底的な内部調査が進められたが、2010年1月に会社更生法を申請、金融機関の債権放棄と公的資金の投入を受け、株式は100%減資で決着がついた。
タスクフォースと言うとドラマ「半沢直樹」が思い出されるが、まさにこの話を元に著者:池井戸潤氏が書いた話である。
JALはその後、営業利益の黒字化を計上するなどのV字回復を図り、2012年には再上場された。
ここまでJALの経営破綻を思い返してみて、気づくことはないだろうか。
まさにタイ国際航空がたどっている道と同じと見ることもできる。
今後の見通し
今後タイ国際航空はどうなってしまうのか?
結局のところ3月8日の上場廃止検討日を待つしかない。
同社は3月2日に会社更生法計画案を提出する予定だが、この結果次第では上場廃止検討日まで取引停止が延長される恐れも出てきた。
つまりタイ証券取引所は計画案次第では上場廃止も辞さない構えということだ。
もしそうなった場合はまさにJALと同じ道を辿ることになる。
同社の株を保有する私にとっては非常に辛い事実だがこの現実は逃れようのないものかもしれない。
とりあえず黙って3月8日を待つこととしよう。
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